富士山は標高が高いので夏でも山頂は非常に寒い気候となります。しかしながら富士登山者の人に一番大変だったことを聞くと「想像以上に寒かった」と答える人が多いです。ここでしっかりと富士山の状況を理解して準備していくことでより安全な登山に繋げて行ければと思います。
富士登山で大変だったことのアンケートを取ると、上位に「山小屋で窮屈で大変だった」という声と「想像以上に寒かった」という声が挙がります。
富士山山頂って実際にどれくらい寒いんですか??
真夏の富士山山頂と東京の真冬の気温はほぼ同じ
下記は東京の2018年1月1日の気温と富士山山頂の2018年8月18日の気温をグラフ化して比較したものです。
どちらの気温も天気が悪かった日というわけではなく、晴天の通常の日です。気温としてはほとんど変わらないですね。比較しているのは東京では元旦なので真冬ですね、一方で富士山山頂の方は8月18日なので夏の終盤ではありますが真夏のシーズンと言っても良い時期ではないでしょうか。真冬の東京と真夏の富士山山頂は同じような気温なのです。富士山山頂の2018年8月18日は前後の日と比べたら若干気温が低い日であったことは確かなのですが、それでも天気が悪かった訳では無く、よく晴れた日です。
富士登山には防寒着を持って行く
富士山を1度しか登ったことが無い人の場合、もしかすると防寒着が必要なかったという方もいらっしゃるかもしれません。富士山は標高が高いので日差しが届いている間は平地以上に太陽の温かさを感じます。たまたま終日富士山に日差しがよく届く日であれば確かに防寒着を使うことが無い場合もあります。しかし富士山は独立峰なので夏場は特に雲に掛かる事がよくあります。麓からの富士山の眺望率は夏の場合50%以下になるとも言われているので、日差しが届くかどうかは五分五分の確率です。「もし必要なかったら」を想定するのではなく、「もし必要になったら」を想定して行動することが大切です。防寒着は必ず持って行きましょう。
8月後半~9月の富士登山はさらに要注意
8月のお盆過ぎから注意してほしいのはより一層の防寒対策が必要となります。特に9月の登山は要注意です。7月後半から8月前半の気温とは5℃くらい下がることもあり、9月になると降雪が観測されることもあります。この時期の防寒対策として、山用のコンパクトなダウンジャケットに加えて薄めのフリースも持って行きましょう。その他にもニットキャップや厚みのあるグローブなども持って行き防寒対策をする必要があります。
荷物はコンパクトに【山用品】
普段街で着ているようなダウンジャケットはいつも使うことを想定しているので決して持ち運びを前提に考えていません。山で使うダウンジャケットは持ち運ぶことを想定しているのでコンパクトに収納できて軽いことが前提となります。例えば生地一つとっても街用であれば見た目が重要になりますが、山用ダウンは如何に薄く高強度な素材を使うかを考えます。強度が保てるギリギリの薄さを追求して開発しています。フリースにおいても温かければ良いということで嵩張るようなフリースではなく持ち運びや収納が可能なサイズになることが重要です。ファッション性という部分では劣るかもしれませんが、必要最低限のシンプルな装飾にして、軽くコンパクトに仕上がっている山用品は富士登山でも重宝します。
その他富士山登山の情報は下記に載せています。