富士登山の服装(ウェア)について【五合目~八合目】では、具体的な事例を挙げて説明していきます。
まずは基本となる富士山の気温・気候から解説します。富士山五合目での出発時、快晴で気持ちいい天気であれば、一般的な動きやすい服装で問題ないのですが、山では注意しないといけないポイントがあります。ポイントをしっかり押さえて、服装準備をしましょう。
麓は夏、山頂は冬!富士登山は重ね着で対応
富士山は五合目から登ったとしても、吉田ルートで登り口が2300m台で、山頂は3700m台となります。その標高差およそ1400mともなり、これだけ違えば気温や風だけでも大きく変わってきます。もっと言えば、五合目と山頂で天気すら違います。
皆さんも車で高地にドライブに行って、車から降りてみたら肌寒いという経験あるのではないでしょうか。標高差での気温差は結構大きいもので、100mの標高差でおよそ0.6℃の気温差が生まれるので、東京の人が五合目に付いた際に感じる気温差が約14℃になります。山頂とは約22℃の温度差があります。
東京の夏は暑すぎるから涼しくてちょうどいいや、なんて考えた方は危険です。実際気温が一桁台になることは良くあり、気温に加えて、さらに風が加わります。真夏でも扇風機にずっと当たっていたら体が冷えるという経験をされている方がいると思います。エアコンの風に思い切り当たっている状態よりさらに厳しい環境です。気温に加えて風が強いので体感としては東京の真冬と変わらない状況になることがあります。(たまたま気候に恵まれて、そうならないこともありますが、登山では最高の状況を想定するのではなく、最悪の状況を考えて準備&行動します)
しかも一泊二日で歩くわけですから、朝、昼、夜とそれぞれでやっぱり気温も風も天気も変わってきます。そうなんです!!私たち地上での常識ではなかなか体験することは無い変化ですが、富士登山はこれだけ環境がコロコロ変わるものなんです。この変化に対して、一つの服装で対応するのはムリなんです。
じゃあどうすれば良いか?
単純に考えれば夏服と冬服を準備すれば良いんですが、それだと荷物が多くなってとても持ち運んで山頂なんて目指せません。
今度、富士山登山に行く予定なんですが何着ていけばいいでしょうか??
登山の場合、一つの服で登りきるのではなく、標高や天候によって重ね着をして対応していきます。シチュエーション別に服装を解説していきますのでチェックしてくださいね!
ちなみに持ち物のチェックリストは下記を利用してみてください。
富士登山歩き始めの服装(ウェア)【昼間の時間帯】
五合目~七合目辺りの歩き始め時点で晴れの場合、まずは軽快なスタイルで登山を始めます。歩き始めはまだまだ元気もいっぱいで、ついつい頑張りがち。汗も かきやすくなります。その汗を素早く衣類に吸収させ、乾かす事が大切になります。スポーツ用のドライTシャツが良いでしょう。綿のTシャツでは雨での濡れ やかいた汗が乾かず、ずっと不快なままとなります。パンツも含めて速乾性素材のものを用意します。そらのしたではレンタルも用意しておりますので、活用し てみては。
ジーパンは絶対NGです。雨に降られた際に、濡れが乾かず重くなります。
では、ジャージはどうか?と言えば、決して悪くはありません。軽くて速乾性もあり、運動性も良いので機能的だとは思います。あまりジャージの人はいませんが、どうしても用意できないという人は検討してみてはいかがでしょう。
ま た、高所にいると紫外線は大変強くなります。ドライTシャツ、ショート丈パンツというスタイルでも、肌の露出は極力控え、その下に長袖のアンダーシャツ、 機能性タイツなどを合わせると良いです。帽子もつばが前部分だけでなく首すじもつばが付いているタイプが良いでしょう。
ここで紹介している服装は晴れていて日光が当たっている場合の服装です。曇っていたり雨の場合は五合目でも肌寒くて実際にはもっと着こまないと寒いと思います。
また、登山でよくある事なのですが、歩き出すと身体が一気に温まりますので、止まっている休憩中と歩いている時の服装は異なります。休憩中は風をよけられるレインウェアを出しやすい位置に締まっておいてすぐに着れると良いですね!
山頂に向けての服装【山小屋滞在中】
山頂では平均気温が5℃であり、しかも風が強く吹くため体感気温はもっと低くなります。実際東京で言えば真冬並の寒さとなることでしょう。山頂でご来光を見たいっていう人は、山頂へ向けて登る時間帯が一番寒い真夜中になります。「氷点下の寒さのつもりで!」と覚悟していっても不足なことはありません。
このため富士登山では防寒着が必須です。そうはいっても、街で来ているような冬服は富士登山に持ち運ぶには不便です。やはり山には山用の防寒着が便利です。ダウンジャケットは高品質なダウンが使われているもので、コンパクトに収納でき、かつ暖かさが保持できるものを持っていきましょう。併せて軽量なフリースもあると便利です。
最も重要なのは防風対策です。肌をできるだけ露出しないことです。ここで大活躍するのがレインウェアとなります!雨が降らなければ必要ないのでは?と初心者はついつい考えがちですが、実は山ではレインウェアを防寒着・防風着として使うことが多いです。レインウェアは、雨具としても、防寒着としても最重要アイテムなんです。
さらに、末端を冷やさないためにも耳を隠せるアイテムがあると良いですね。ニット帽やグローブがあると重宝すると思います。マフラーほどたいそうな物を持っていかなくてもいいと思いますが、タオルマフラーであったり、ただのタオルでも首の保温に使えば防寒対策バッチリです!
山小屋から出発するときは深夜1時くらいであったりするので、とても寒いです。ご来光待ちの時もめちゃくちゃ寒いです。防寒対策はしっかりしていきましょう!
下記のページでは実際に真夏の富士山と東京の冬の気温を比較しています。これをみると如何に富士山が寒いかが分かると思います。
合わせてチェック!
富士登山の服装(ウェア)について【雨天・降雨時】
富士登山の服装について【下山時】
その他富士山登山の情報は下記に載せています。