富士山登山や3000m級の山にチャレンジをしようと検討している方は自分の装備については慎重に選ばなければなりません。油断をしているとトラブルの原因にもなります。例えば登山のズボン、いわゆるトレッキングパンツはどんな物を選べば良いでしょうか。
登山ズボン・トレッキングパンツとは
トレッキングパンツは登山を目的にして作られたような登山用のズボンです。カジュアルに履ける物という感じでは無く、登山という過酷な現場でも耐えうる物になっています。
特徴として伸縮性が優れているので足の曲げ伸ばしの多い登山時にストレスになりません。
また、丈夫な生地で作られていたり、膝やお尻など要所で補強されていたりするので少々木や岩で擦ったとしても破れにくいです。
さらに雨等で濡れたとしてもすぐに乾きますので山登りにはとても合っていると言えるでしょう。
中には利便性を高める為にポケットの位置についても工夫されている物も多く、完全防水の物も出ています。ポケットについては入れた物をおとしてしまわないように、ジッパーが付いている物もありますので選ばれてみても良いでしょう。
さらに二つに分かれてハーフパンツに出来るような物もありますので、これなら暑くなっても調整がきいて涼しいですね。夏場には重宝します。
但し、ハーフパンツタイプを履く場合、その下にもタイツのようなものを履き、肌を直接出さないようにすることが大切です。日焼けしてしまうこともありますし、虫刺されや藪などを歩く際に直接肌が露出していると木や草で足が傷ついてしまう可能性があるためです。
普段着のズボン・パンツはダメなの?
普段着の長ズボンの代表格と言えば綿ズボンやジーンズではないでしょうか?
これらで登山してはいけないのか?と聞かれます。綿ズボンやジーンズの特徴を整理しましょう。
- デザイン・色が豊富
- 丈夫
- 風を通しづらい
- 伸び縮みしづらい
- 重い
- 乾きづらい
1と2は良いとして、問題は3~6です。これらは登山にとって致命的なデメリットになります。雨が降った際や汗をかいた時など、あらゆる登山の環境においてトレッキングパンツは、普段のパンツよりも快適さを与えてくれます。だから普段のパンツをトレッキングパンツに置き換えることが難しい理由です。
ジャージはどうなの?
綿パンツやジーンズはNGとして、ジャージはどうでしょうか?
ジャージであれば先ほど挙げた特徴の、伸び縮みしやすい、軽い、乾きやすいといった特徴を持っています。
結論から言うとジャージは登山パンツとして使えないことはありません。同じポリエステル生地で作られていることが多く、スポーツ用に作られているため動きやすさも確保されています。
とは言え実際の山ではジャージで登っている人は残念ながら見かけません。デザイン性の問題だとは思います。普段着の中で最も登山に向いている服は?と聞かれたらジャージです。登山用のパンツを用意できるのが最も良いのですが、どうしても用意できない場合には、普段着の中ではジャージのパンツが最も登山に向いています。
登山ズボン・トレッキングパンツの選び方
夏山登山の場合ですと、雲が無ければ夏の日差しはとても強くなっていますので、トレッキングパンツはハーフパンツ等では無くて、できるだけ長ズボンを用意した方が良いでしょう。ただしハーフパンツにする場合は、機能性タイツと合わせると日差しの心配が無くなります。よりアクティブに動くような場合、ハーフパンツの軽快さは重宝します。
こんな時には前述したハーフパンツに分割できるタイプが重宝すると思います。
例えばジーンズ等ですと、伸縮性の部分で問題があり、登山には向いていません。また、一度濡れてしまった際に乾きにくく、重たくなる点も不向きな理由の一つです。
さらに転倒や岩などを擦った時にハーフパンツの場合は怪我をしやすいので、注意が必要となります。肌は直接露出しないようにハーフパンツの下にスポーツタイツを着るようなケアをすると良いです。基本的にトレッキングパンツで選んだ方が良いタイプとして、吸湿性や速乾性の素材が使われており、伸縮性も優れているような物を選んだ方が良いでしょう。さらにはポケット等があると小物を入れやすいです。
登山ズボン・トレッキングパンツの手入れ
登山ズボンやトレッキングパンツは基本的に、普通の汚れ具合程度ならば洗濯機で洗うことが出来ます。もちろんその場合、素材に合わせた洗濯方法を選ばなくてはなりません。そこは通常の衣服と同じように洗濯をして乾かせば良いでしょう。
トレッキングパンツとは少し異なりますが、レインウェアパンツの場合若干手入れの方法も異なってきます。ゴアテックス製品の場合ですと、特殊な素材ですので、少し注意をする必要があります。まず、チャック等があるのでしたらきちんと閉じておいた方が良いです。何故ならば開いておく事で洗濯機に入れると傷が付いてしまう可能性があるからです。
すすぎに関しては通常の洗濯の時よりしっかりとした方が良いでしょう。何故ならば、洗剤が残っているとゴアテックスの撥水性能や透湿性について少し弱くなってしまうことがあるからです。さらに強めの脱水をするとゴアテックスの表面生地だけでなく、ゴアテックス素材にもダメージが残るケースがあるので、注意が必要です。