皆さんこんにちは!!
(山梨県富士五湖の一つ・山中湖から見た富士山とそらのしたでレンタルしているsnow peakアメニティドーム)
梅雨が明け帰ってきた青空に、嬉しさと恐怖を抱く
そらのしたAOです(`・ω・´)ゞ
前回、前々回のブログにて、アウトドアでは”道具が本来の性能を発揮しなければ安全にかかわる=危険”である。という事と、”道具本来の性能を発揮させるためには適切なメンテナンスが必要”である、として”そらのしたでシュラフ(寝袋)とレインウェアに対して行っている道具の性能を活かすためのメンテナンス”について紹介しました。
今回は主にテントの防水性(=防水コーティング)に焦点を当てて、テントの防水性劣化の原因と、テント本来の性能を発揮するためにそらのしたで行っているメンテナンスについて紹介します。
そらのしたのテントクリーニングサービスの作業との共通点もありますので、テントのレンタルに関心がある方だけでなくご自分のテントを持っているorテントの購入を検討している方も是非参考にしてみてください!
それでは行ってみましょう!!
目次
テント生地の基本情報・ポリウレタンによる防水コーティング
テントのメンテナンス・クリーニングの話をする前に、テント生地の基本情報についてお話します。
まずテントの生地(というか防水性を持った生地は大体)表地と裏地で構成されています。
裏に生地が張り付けられているというよりは、”生地の裏側に防水コーティングが施されている”という表現の方が正しいのですが説明をしやすくするためにこのブログでは表地と裏地という表現をさせてもらいます。
テント生地・表地
山岳系テントの表地は、軽くても強度がある”ナイロン”さらには”シリコン”が練り込まれたもの等が使われています。
キャンプテントの表地は、”ポリエステル”や”コットン”が多いです。
そして表地には、水を弾く撥水加工が施されています。
テント生地・裏地(防水コーティング)
裏地にはポリウレタンコーティングが施されています。
このポリウレタンコーティングがテント生地の防水性の”胆(きも)”となります!
防水と撥水の違い
水を弾く”撥水”と違い”防水”は水を通さないので、このポリウレタンコーティングがキチンと機能していれば雨も恐れるに足らず!です。
しかし生地の縫い目の部分は、水を通してしまいます。ですので縫い目部分は裏側からシームテープという防水テープが張ってあります。
テントが劣化する原因
上の項目で、テントの構造は主にナイロンやポリエステルなどの表地があってその裏側にポリウレタンによる防水コーティングが施されていると説明しました。
※このブログでは生地裏側の防水コーティングの面を裏地と表現させてもらっています。
この”ポリウレタン”というものが中々曲者でとても劣化しやすい素材なのです。
どのくらい劣化しやすいかというと、そもそもポリウレタンという素材が合成された時点から加水分解などによる劣化が始まるくらいです。
なのでこの項目では、ポリウレタンコーティングの劣化について説明します。
ポリウレタンコーティングの劣化
ポリウレタンの劣化で最も耳にするのが”加水分解”というものです。
文字通り、水分に反応して起こる分解反応のことです。
この加水分解がポリウレタンコーティングで起こってしまうと、まず手触りがベタベタしてきます。
そしてコーティングが生地から浮いてしまい、さらに劣化が進むとボロボロと剥がれだしてしまいます。
上でも紹介したようにポリウレタンコーティングはテントの防水性の”胆”です。そのポリウレタンコーティングが浮き始めてしまえば、テントの防水性能は機能しなくなってしまいます!!
さらに劣化が進んでポリウレタンコーティングが剥がれてしまえば、ただの布になってしまいます。
アウトドアにおいて道具が本来の性能を発揮しなければ安全にかかわります。
=危険
次の項目ではテント本来の性能を発揮できるように、そらのしたで行っているメンテナンスについて紹介します!
テント劣化を抑えるメンテナンス・管理
テントの防水性の胆”ポリウレタンコーティング”
そのポリウレタンの劣化で最も耳にするのが”加水分解”
加水分解自体は何もしていなくても進行してしまいますが、日ごろのメンテナンスと管理をきちんと行わなければその劣化の進行が加速してしまいます。
そらのしたでは、ポリウレタンの劣化を抑えテントの防水コーティングの寿命を延ばしテント本来の性能を発揮できるように、日ごろのメンテナンスを行っています!
奇をてらった特別なこと、というよりは基本を大事にしている感じです。
しっかりと乾燥をする
ポリウレタンは加水分解・・・つまり水・湿気に弱いということになります。
つまり何よりも大切なのは使用後はなるべく早く”完全”に乾かすことです!
そらのしたでは、使用後返却されたテントは順次洗浄後干して乾かしています。
そして普通に干して乾かしたのち、テント専用乾燥室で完全に水気を切って乾かします。
水・湿気はポリウレタンの劣化だけでなく臭い・カビの原因にもなりますので迅速な乾燥は機能面だけでなく衛生面でもとても大切です。
ゴシゴシと擦りすぎない
理由1 生地が傷んでしまうから
テントの洗浄前に、汚れを拭き取ります。
汚れはサッとふき取る程度で掃除します。
ゴシゴシと擦りすぎると生地が傷む原因となってしまいます。ですので柔らかい布やスポンジなどで拭き取りをしています。
落ち葉やゴミなどが残っていると臭いやカビの原因になってしまうので、生地へのダメージを最小限に抑えつつしっかりと汚れを取り除きます!!
理由2 撥水性を落としてしまうから
また生地が傷むだけでなく、摩耗によって生地表面の撥水性も損なってしまいます。
水を弾く撥水はテント生地の防水性をより活かすものであると同時に、ポリウレタンコーティングの寿命を延ばす効果もあります。
ここまでで何度も述べている通り、水はポリウレタンコーティングの天敵です!
生地表面の撥水がしっかりとしていれば、裏のポリウレタンコーティングが水に晒されることは少ないですが・・・
撥水性が落ちてしまうと生地表面が保水状態になってしまい、ポリウレタンコーティングが水に晒されやすくなってしまいます。
そうなるとポリウレタンの劣化が早く進んでしまいます。
こういったリスクを回避・軽減しポリウレタンコーティングの寿命を延ばすためにも、テント生地の撥水性はとても大切です!!
風通しの良い場所で保管
ここまでのメンテナンスで、テント生地のダメージを最小に抑えポリウレタンコーティングの最大の弱点である水気を完全に切りました!
しかしいくらメンテナンス時に水気を切っても、湿度の高い場所に保管してしまえばメンテナンス時の努力が水泡に帰してしまいます・・・
さらに湿度と温度はカビの原因にもなってしまいます。
保管は直射日光や高温多湿な環境を避けることが重要です。
ですのでそらのしたでは、メンテナンスを終えたテントは風通しの良い場所に保管しています。
以上のメンテナンスと保管によって、テントの劣化を抑えテント本来の性能を発揮できるように日々作業をしています。
これらの作業は上でも書いた通り、奇をてらった特別な事というよりは基本を徹底的にしっかりと守った作業です。
やっぱり何事も基本が大切ですよね!!
+αの品質!イオン水+抗菌剤で強力洗浄・除菌
基本をしっかりと押さえたメンテナンスをしているからこそ、+αのメンテナンスが光ります!!
そらのしたでは使用後返却されたテントを全て洗浄していますが、この時イオン水と抗菌剤を使って洗っています!!
イオン水は洗浄力が強力なだけでなく、高い除菌効果も持っています。
お客様により快適にキャンプ・テント泊を過ごして頂くために、テントの性能面だけでなく衛生面でも高い効果を発揮する工法を選んで行っています!!
まとめ
1.テントの防水性の”胆”ポリウレタンコーティングはとても劣化しやすく、特に水・湿度の影響を行けると劣化の進行が非常に早くなってしまう。
2.テントの汚れを拭き取る際、ゴシゴシと力を入れすぎてしまうと生地を傷めるだけでなく生地の撥水性も落としてしまう。
3.そらのしたではテント本来の性能を発揮するために、生地へのダメージを最小限に抑えつつ汚れを落とし、しっかりと乾燥させて水気を切り、高温多湿を避けた環境で保管をしている。
4.さらにテントの洗浄には、高い洗浄力と除菌効果を持つイオン水と抗菌剤を使っている。
といった点がこのブログで伝われば幸いです。
それでは今回はここまでです。ごきげんよう!!
そらのしたテントクリーニング
そらのしたでは、お客様のテントをお預かりしてクリーニングや撥水加工を行う”そらのしたテントクリーニングサービス”も行っています。
詳しくは下記URLから!!