【ソロキャンプの道具】ソロキャンプ用寝袋(シュラフ)の選び方

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目次

Q.ソロキャンプ用寝袋(シュラフ)の選び方を教えてください。

A.ソロキャンプ用の寝袋は、形状別・シーズン別・断熱素材別によるメリット・デメリットを比べたり、身長や性別に合わせて選ぶと良いでしょう。

それでは、ソロキャンプ用寝袋の選び方を、形状別・シーズン(気温)別・断熱素材別およびバリエーション別に、特徴・メリット・デメリットを交えてご説明していきましょう。

★形状別ソロキャンプ用の寝袋(シュラフ)の選び方

ソロキャンプ用に限りませんが、寝袋は形状別に大きく3種類に分かれます

①マミー型(ミノムシ型)
②封筒型
③その他(人型など)

①マミー型寝袋とは?

マミー型寝袋は、一般の人が寝袋と聞いて思い浮かべる円筒状の(ミノムシのような)タイプで、様々なメーカーから、一番豊富な種類が販売されているタイプです。

マミー型寝袋のメリット

・体との隙間が少なく、頭までかぶれるため、保温性に優れます。寝返りをしても常に体との空間ができづらいため、朝起きたら体が冷え切っていた、なんていう事態も避けられます。
・収納サイズが軽くてコンパクトなため、運搬が楽です。公共交通機関やバイク・自転車などでのソロキャンプに向いています。ひとりでキャンプ道具を持ち運ぶことが多いソロキャンプに便利です。

マミー型寝袋のデメリット

・筒状のため、足が開かないので、拘束感があります。普段寝ているときに足を開いて寝る癖のある方は、寝苦しさを感じる場合があります。

②封筒型寝袋とは?

掛け布団と敷布団を、ジッパーで綴じたような形状の寝袋です。

封筒型寝袋のメリット

・布団に近い形状のため、寝袋に寝慣れていない方も、あまり違和感が無く使用できます。足もある程度は開けますし、手も出しやすいです。
・ジッパーを開けると、大きく開口するタイプが多く、布団の感覚で使えます
・ソロキャンプでは必要ない機能かもしれませんが、同タイプの封筒型寝袋2組を組み合わせてダブル布団のようにダブルサイズで大きく使える機種もあります。

封筒型寝袋のデメリット

・体との空間か大きいため、マミー型寝袋に比べて保温性が劣ります
・寝袋自体が大きいため、収納サイズも大きく重くなりますので、公共交通機関や徒歩で担いでの移動の場合はあまり向きません。

③その他(人型など)の寝袋とは?

その他の寝袋で代表的なものが、人形寝袋です。

人型寝袋のメリット

・その名の通り、人の形に成形されているため、密着感が抜群で保温力も一番あると言えます。
・手足の自由度も抜群なので、時には外で行動することも可能。

人型寝袋のデメリット

・収納サイズが大きく重くなってしまう。
・製造に手間がかかるため、しっかりしたものは価格が高め
・皮膚同士がくっつけられないので、服を着て寝転がる感覚が強く、普段寝ている感覚と違うため、寝づらく感じる場合がある。

④マミー型寝袋と封筒型寝袋の大きさと重さを比較

それでは次に、同じ春秋用(3シーズン用)のダウン寝袋(シュラフ)で、マミー型寝袋と封筒型寝袋の大きさと重さを比較してみましょう。
寝袋は、マミー型寝袋=アルパインダウンハガー800 #3、封筒型寝袋=ダウンファミリーバッグ#3(どちらもmonbell/モンベル)です。

●大きさ

マミー型寝袋(アルパインダウンハガー800 #3)=φ13×26cm
封筒型寝袋(ダウンファミリーバッグ#3)=31×19×19cm

封筒型寝袋とマミー型寝袋の大きさ比較 (※比較用のペットボトルは2リットル)

●重さ

マミー型寝袋(アルパインダウンハガー800 #3)=600g(袋を含む)
封筒型寝袋(ダウンファミリーバッグ#3)=1040kg(袋を含む)

★シーズン(気温)別ソロキャンプ用の寝袋(シュラフ)の選び方

ソロキャンプ用の寝袋は、シーズン(気温)別に大きく3種類に分かれます

オールシーズン用(冬用)
3シーズン用(春・夏・秋用)
夏用

各シーズンに合わせた寝袋を用意できればベストではありますが、全て購入するとなれば、かなり高額になってしまいますので、全部は買わずにレンタルも使うと便利ですね。

①オールシーズン用(冬用)寝袋とは?

冬のソロキャンプをしたい方はオールシーズン用寝袋が必要です。
名前の通り、一年中オールシーズン使える寝袋で、冬の寒さに耐えられるように、ダウンや綿などの断熱材がたくさん入っています。
一般的にオールシーズン用として売られている寝袋は、最低気温0度前後の環境で使えるものから、最低気温が氷点下20~25度のような極寒の環境でも耐えられる製品もあります。
暑いときは、ジッパー等の開口部を開けて温度調整すればよいという考えから夏にオールシーズン用寝袋を使うことも可能ですが、逆のパターンで、冬に夏用寝袋使うと寒くて寝られず、体調を崩し、ひどい場合は低体温症などで死亡してしまうこともありますので、お勧めしません。

オールシーズン用(冬用)寝袋のメリット

・ひとつ持っていれば、冬を含めて一年中使うことができる。

オールシーズン用(冬用)寝袋のデメリット

・価格が高い
・断熱材がたくさん使われているため、収納サイズが大きく重さも重くなりがちで、携帯性が落ちる
・小さく畳むために少しコツがいるのでスタッフバッグ(収納袋)に仕舞いにくい。
・夏でも使えるが、すっぽり入ると暑いので、夏は必ずしも快適に使えるという訳ではない

②3シーズン用(春・夏・秋用)寝袋とは?

3シーズン用の寝袋は、冬を除いた春・夏・秋のソロキャンプに使用できます。
携帯性と保温力のバランスが良いので、利用者が多い寝袋です。
一般的にシーズン用として売られている寝袋は、最低気温3度度前後の環境から使えるものが多いと思います。

3シーズン用寝袋のメリットとデメリット

・3シーズン用寝袋は、突出したメリット・デメリットともあまりなく、春から秋までオールマイティに使えます。一番長いシーズンで使えますので、揃えるならまず3シーズン用という方が多いと思います。

③夏用寝袋とは?

夏用寝袋は夏の低地でのソロキャンプで利用します。
断熱材があまり入っておらず、薄手で携帯性を重視した寝袋です。
メーカーとしては、最低気温8~10度くらいから使えると表記していることがありますが、実際に気温10度以下で使うと寒く感じる方がいると思います。
夏でも高原などでのソロキャンプで朝晩の冷え込みが不安な場合は3シーズン寝袋を使った方が安心です。

夏用寝袋のメリット

・小さく収納できて、軽いため、携帯性に優れる
・価格が安め

夏用寝袋のデメリット

・夏しか使えない。
高原や山などで冷え込んだ場合に、夏でも寒さを感じることがある。

④寝袋(シュラフ)は現地の最低気温をクリアできる快適温度(コンフォート温度)を基準に選ぼう

ご説明した通り、寝袋は大きくオールシーズン用・3シーズン用・夏用に分かれていますが、製品によって使用可能な温度域が変わってきます。
まず、キャンプ予定日に想定される現地の最低気温を調べたうえで、メーカーが公表している快適温度(コンフォート温度)と照らし合わせ想定される気温でも快適とされる寝袋を選びましょう。

寝寝の使用可能温度域ですが、近年ではEUの規格(ヨーロピアン・ノーム)「EN13537」という寝袋の保温力を統一表記する規格を使い、使用可能温度域を表記しているメーカーが増えています。
「EN13537」規格を採用したメーカーの寝袋は、以下のような温度区分にて表記がされています。

快適温度(コンフォート温度)=代謝が低めの方(寒がりな方)が、リラックスした状態で、この気温より高い温度域で快適に使える。
下限温度(リミット温度)=代謝が高めの方(寒がりではない方)が、丸まった状態であれば、この気温より高い温度域で使用できる。
極限温度(エクストリーム温度)=代謝が低めの方(寒がりな方)が、丸まった状態で震えながら、6時間まで耐えられる温度域。
という基準となっています。
(※分かりやすいように簡略化してご説明しています)

下限温度(リミット温度)より低い温度域では、限界温度(エクストリーム温度)に近づくほど、低体温症を発症してとても危険な状態となる恐れが高まり、健康を害して死に至る場合もあります。
登山では、装備に軽さとコンパクトさが求められるため、多少寒いかもしれないな?と思っても軽量コンパクトな寝袋を持っていくことがありますが、これはあくまで経験豊富なベテラン登山者の話です。
ソロキャンプでは、そこまでシビアに寝袋の携帯性を重視するメリットが無いですから、寒がりではない代謝の高い方でも快適温度(コンフォート温度)を基準に寝袋を選んでください。
なお、メーカーによっては「EN13537」を採用していない場合があり、温度表記の基準に違いがありますので、注意してください。
寒がりな方は、ワンランク暖かい寝袋を選ぶと安心ですね。

⑤オールシーズン用寝袋・3シーズン用寝袋・夏用寝袋の大きさと重さを比較

それでは次に、オールシーズン用寝袋・3シーズン用寝袋・夏用寝袋の大きさと重さを比較してみましょう。
寝袋は、オールシーズン用寝袋=アルパインダウンハガー800 #1、3シーズン用寝袋=アルパインダウンハガー800 #3、夏用寝袋=ダウンハガー800 #5(いずれもmonbell/モンベル)です。

●大きさ

オールシーズン用寝袋(アルパインダウンハガー800 #1)=φ17×34cm
3シーズン用寝袋(アルパインダウンハガー800 #3)=φ13×26cm
夏用寝袋(ダウンハガー800 #5)=φ12×24cm

シーズン別寝袋の大きさ比較 (※比較用のペットボトルは2リットル)

●重さ

オールシーズン用寝袋(アルパインダウンハガー800 #1)=944g(袋を含む)
3シーズン用寝袋(アルパインダウンハガー800 #3)=600g(袋を含む)
夏用寝袋(ダウンハガー800 #5)=450g(袋を含む)

★断熱素材別ソロキャンプ用の寝袋(シュラフ)の選び方

ソロキャンプ用の寝袋は、断熱材の素材別にに大きく2種類に分かれます。

①断熱材がダウンの寝袋(ダウンシュラフ)
②断熱材が綿(ワタ※化学繊維を含む)の寝袋

①断熱材がダウンの寝袋(ダウンシュラフ)とは?

衣料や羽毛布団でおなじみのダウン(羽毛)は、寝袋にも最適な断熱材です。
ダウンを使った寝袋は保温力が高いので、一般的に通常の綿を断熱材に使った製品より、小さく軽い寝袋となります。

断熱材がダウンの寝袋のメリット

・小さく、軽いため、携帯性に優れる
・ふかふかして寝心地が良い

断熱材がダウンの寝袋のデメリット

価格が高い
・水に濡れると保温力が一気に失われる
洗濯する際に注意すべき点が多い。

②断熱材が綿(ワタ※化学繊維を含む)の寝袋とは?

一般的に、断熱材が綿の寝袋は、ダウンの寝袋と同じ保温力を得ようとする場合、重く大きくなってしまいます。
最近は、ダウンにも負けない断熱性を持つ高性能な化学繊維を使った寝袋も発売されています。

断熱材が綿(ワタ)の寝袋のメリット

・価格が安価
洗濯がしやすい
湿気を吸ったり水濡れをした場合、ダウンと比べて保温力がある

断熱材が綿(ワタ)の寝袋のデメリット

大きく重い
・ふわふわした柔らかさがダウンに劣る

③断熱材が綿(ワタ)の寝袋とダウンの寝袋の大きさと重さを比較

それでは次に、同じ3シーズン用の寝袋を例に、断熱材が綿(ワタ)の寝袋とダウンの寝袋で、大きさと重さを比較してみましょう。
寝袋は、断熱材が綿の寝袋=ポリゴンシュラフスタンダード(finetrack/ファイントラック)、断熱材がダウンの寝袋=アルパインダウンハガー800 #3(montbell/モンベル)です。

●大きさ

断熱材が綿の寝袋(ポリゴンシュラフスタンダード)=φ18×32cm
断熱材がダウンの寝袋(アルパインダウンハガー800 #3)=φ13×26cm

断熱材の素材の違いによる大きさ比較 (※比較用のペットボトルは2リットル)

●重さ

断熱材が綿の寝袋(ポリゴンシュラフスタンダード)=790g
断熱材がダウンの寝袋(アルパインダウンハガー800 #3)=600g(袋を含む)

★バリエーション別ソロキャンプ用の寝袋(シュラフ)の選び方

ソロキャンプ用寝袋を選ぶ際、身長や性別等によって、適切な寝袋が用意されている製品もあります。
大は小を兼ねるので、大きく長い寝袋でももちろん使用は出来ますが、内部の無駄な空間を少なくすることで保温力が上がり、収納サイズも小さく、重さも軽くなり、携帯性が上がります。

①身長による寝袋の選び方

メーカーや製品毎に適応身長が違っており、それぞれ身長別にロング等のサイズが用意されている製品もあります。
特に背の高い方は、レギュラーサイズでは長さが足りない場合がありますので、注意しましょう。

②性別による寝袋の選び方

通常の寝袋は、男女共用として作られていますが、女性専用モデルとして設計されている製品もあります。
男女共用と女性専用寝袋の違いについてはメーカーによって仕様が異なりますが、長さ(適用身長)が女性向けサイズとなるだけでなく、女性の体形に合わせた形状設計や、冷えやすい足元に断熱材を増やしてある等の工夫がされている製品もあります。
女性でもソロキャンプをされる方が増えていますが、女性向けのカラフルでカワイイカラーの寝袋は、テンションも上がりますし、写真映え、インスタ映えしますよ!

ダウンハガー800 Women’s #2(montbell/モンベル)は綺麗なカラーが人気

★【まとめ】寝袋(シュラフ)の特徴を活かせばソロキャンプはもっと自由で快適に

ソロキャンプは、ひとりであるからこそ、思い立った時に、自由で気ままに出掛けられるキャンプ。
季節・場所・移動方法などを選ばず、自分の行きたい場所に行けるのです。
寝袋も、ぜひ形状別・シーズン別・断熱素材別の特徴を活かして選んでいただき、ご自分の希望にあった自由で快適なソロキャンプにお出かけください!

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キャンプ用品のレンタル事業を展開して10年超のそらのしたスタッフ。スタッフ内にはキャンプインストラクターを取得したベテランキャンパーやキャンプだけでなくアウトドア全般に精通したスタッフも在籍。山梨県富士吉田市に拠点を置き、「遊び心あふれる仲間づくり」をミッションに活動する。

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