登山で起こりやすいトラブルの対処法・応急処置

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登山にありがちなトラブル・・

ニュースでも取り上げられてることがあります。いざという時のためにトラブルについて知っておくことが大切です。

せっかく登山するなら楽しい登山にしたいですよね♪

登山で起こりやすいトラブルの対処法・応急処置

前回はどのようなトラブルがあり、その予防や対策についてまとめました。

しかし、起きてしまった時にはどんな対処をしたらいいのか??知りたいですね。実際に起きてしまった時の為に対処法を知っておくことで少しでも不安が減るといいな・・と思います。

登山で起こりやすいトラブルに注意!!事前の予防・対策で危険を回避!!
どんなスポーツをするのにもトラブルは付き物です(≧◇≦) 『自分は大丈夫!』なんて思っていたら大変なことになってしまうかも!?!? もちろん、登山もそうです(>_<) そこで登山においてどのようなトラブ...

・登山で起こりやすいトラブルの対処法・応急処置①脱水症・熱中症

少しでもおかしいな!?と体調に異変を感じたら、すぐに自分の状態を伝えます。

意識がしっかりしていて自分で飲むことができるようなら水分と塩分と糖質が入ったものを1ℓほど飲みます。経口補水液やスポーツドリンクがあると良いですね。

すぐに日差しが避けられる涼しい場所に移動します。風通しの良い場所があれば更に良いです。

ザックに足を乗せるなど、できるだけ足を高くして血液を心臓に集めるようにして安静にします。手足に水をかけ、タオルなどであおいで体温を少しでも下げる様にします。

30分くらいたって回復するようであれば予定通りに行動しても良いと思いますが、それ以上時間がかかるようであれば経過観察し、様子を見ながら下山します。登山をする上で、いちばん弱い人に合わせて行動するのが大切です。

少しでも心配な場合はすぐに医療機関などに相談しましょう。

もし手足が動かない、意識がもうろうとする、意識がないという場合は、すぐに警察に救助を要請します。救急車を待っている間やヘリコプターによる救助の場合でも、到着までに時間がかかってしまいます。

その間、応急処置をすることで症状の悪化を防ぐことができるので上記の対処法を行います。但し、嘔吐があったり、水を飲ませた時にむせるようでしたら誤って水分が気道に入る危険性があるのでやめておいた方が良いです。

熱中症は、時には命に関わってしまうので、甘く判断しないようにしましょう!!

・登山で起こりやすいトラブルの対処法・応急処置②高山病

高山病は少し頭が痛いなくらいの症状から身動きが取れなくなるまで様々な症状があります。標高を上げると悪化し、下げると治るという特徴があります。

あれ?もしかして・・・と思ったら水分不足が原因かもしれないため、まず水分補給します。しばらく休憩しても良くならないようなら下山することをおすすめします。救護施設がある場合は、そちらを利用しましょう。

下山してもしばらくは回復しない恐れもあります。自分の身体は大切です。

無理をせずに登山を楽しんでいただきたいです(^o^)

また、酸素欠乏による高山病対策として酸素吸引というのもありますが、まずはしっかりと水分補給をするようにしましょう。

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・登山で起こりやすいトラブルの対処法・応急処置③膝痛

痛みが起きてしまったら休憩し、コールドスプレーや湿布などで冷やしてテーピングで保護するのが良いかと思います。冷やすことで痛みが改善することがあります。

痛みが中々改善されない場合は膝上あたりをタオルやハンカチなどでしばって圧迫し、靭帯への負担を減らすことで痛みが軽減することがあります。

それでも痛みに耐えられない場合は痛み止めの薬を飲み、ゆっくりゆっくり歩きます。

膝が痛いと歩くのがとても大変でツラくなるので、痛みが起こらないようにしっかりと予防・対策をしましょう!!

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・登山で起こりやすいトラブルの対処法・応急処置④靴ずれ・マメ

靴ずれやマメで水ぶくれになってしまった場合、自分でつぶすと雑菌が入り感染症などを引き起こすことがあるのでなるべくつぶさず、テーピングや絆創膏などで保護し治るまで放置するのがベストです。

ただし、足の裏や大きな水ぶくれ、圧迫感や痛みがある場合など、つぶした方がよいこともあります。つぶす場合にはしっかりと殺菌消毒した針を使って小さい穴を開け、水をそっと出します。

その後はキズパワーパッドのような湿潤環境を維持する絆創膏で保護します。破れてしまった場合にも同じようにします。

※湿潤環境を維持する絆創膏を使う場合は、消毒液を使ってはいけないので注意が必要です。

我慢できないほどの強い痛みや大きな水疱ができてしまったなど、心配な時は専門医に相談しましょう!!

・登山で起こりやすいトラブルの対処法・応急処置⑤ケガ(捻挫・骨折・流血)

捻挫や骨折ををしたら、RICES処置を行い、軽度の場合はしばらく様子を見てみましょう。立てない、歩けない場合は、できるだけ早く専門医を受診してください。

捻挫も骨折もはRICES療法の中で、とくに固定が重要です。捻挫はテーピングで患部を動かしても痛くない方向に固定します。

骨折の場合、判断がとても難しいです。骨折は捻挫や打撲などと区別できないことががあります。変形がはっきりしていると骨折は分かります。判断が難しい場合は、骨折したと考えて応急処置をすることをおすすめします。

骨折は固定し、骨折部分が動かないようにします。傘、木の枝、トレッキングポール、新聞紙など丸めて使うのも良いでしょう。しっかりと固定できれば痛みが軽減でき、それ以上の悪化は抑止できます。併せて冷却をすることで痛みが減り、炎症による腫れが緩和されます。

切り傷や刺し傷などはすぐに水で洗い、消毒をします。絆創膏やガーゼ、テーピングや包帯など使って傷口を保護します。湿潤環境を維持する絆創膏も良いですね。

流血がある場合は清潔なガーゼやハンカチを使って圧迫して止血します。

ケガが起こったら体を温めて体温が下がらないよう、保温しておくことも大切です。

ある程度応急処置ができたとしても動くのが困難だったり、固定がしっかりできてるか不安だったり、多量出血があるなど、症状・状態を悪化させないためにも早めの救助要請を行い、医療機関にお任せするのが望ましいです。

・登山で起こりやすいトラブルの対処法・応急処置⑥凍傷

凍傷のなり始めは手足の指や耳たぶがかゆくなったり、ジンジン、ピリピリと痛みます。

なり始めはほとんどの人に自覚がありますがその後、痛みが消えて感覚がなくなるので、ジンジン、ピリピリから回復したと思ってしまったり、感覚がなくなったことに気づかずに凍傷にも気づかない場合があります。危険ですね!!!

凍傷かも??と思ったらすぐに風の当たらない場所に移動して股など、暖かいところに挟んで10分ほど温めてみます。感覚が戻れば良いのですが、それでも感覚がない場合には融解しなくてはいけません。

小屋やテントなど場所を確保し、コッへルや鍋などに40度前後のお湯を沸かします。そこへ凍結した患部全体を浸して温めます。患部の温度が他の場所と同じ温度になるまで温めます。温める時間は40~50分でお湯の温度を保ちながら温めることが大切です。

患部は感覚がなくなっているので、火傷しないように注意しながら温めます。血流が回復すると激しい痛みが襲うので、始める前に痛み止めを飲んでおくと良いですね。※アスピリンは血流障害を防ぐ効果もあるのでおすすめです。

融解後も滅菌ガーゼなどで保護し動かさないように保温を続け、下山後に治療してもらいます。水疱がある場合は絶対に破らない、また、患部をこすってマッサージしたり、直火に当てないなどの注意も必要です。

注意 患部の融解は、その後歩く必要がない場合のみにします。一度融解した組織は非常にもろくなっているので、歩くと柔らかくなった組織を再び傷つけることとなり悪化してしまいます。歩いて下山する場合には、凍結したまま下山する方が障害は比較的軽度で済みます。

重症の場合は、すぐに救助を要請しましょう。

・登山で起こりやすいトラブルの対処法・応急処置⑦低体温症

低体温症になってしまったら限界温度にならないうちに下山することで回復につながりますが、初期段階では山小屋やテントで対応できる場合もあります。
初期症状・・震え、疲労感、無気力、判断力低下など。

山小屋、テントなど風が当たらない場所に避難し、濡れている衣類を着替えます。ダウンジャケットや帽子や手袋、手持ちの防寒できるものは全て身に着けます。

糖分がたっぷり入った温かい飲み物を飲みます。 カフェインは避けましょう。
わきの下、首、肩、股の付け根などお湯を入れたペットボトルやカイロをあて温めます。寝袋があれば入ります。レスキューシートがあれば体に巻付け保温します。

立てない、震えが止まる、歩行困難、意識混濁など、重症にならないように仲間同士で確認しながら歩き、異変を感じたらすぐに救助を要請しましょう。

ツェルトもおすすめです。
ツェルト ツェルト

ツェルト - Wikipedia

・登山で起こりやすいトラブルの対処法・応急処置⑧道迷い

あれ??迷ったかな??何かおかしい!!と思ったら来た道を戻ります。ただし、来た道さえも分からなくなってしまうことがあります。

でもそこで焦らず、何か飲んだりおやつを食べたり・・心を落ち着かせて行動を取るようにした方が良いでしょう。

地図やコンパスなどを使って自分のいる場所を確認し、来た道を戻りながら登山道を目指します。特に下りのときに道を間違えてしまうと、戻るために登るのがとても大変です。

だからと言ってそのまま下りながら軌道修正しようとすると更に迷い込んでしまうので特に気を付けたいですね。

登りながら目指すことで、尾根道や頂上に辿り着くことができ、頂上まで行ければ下山のための登山道があるはずです。

・登山で起こりやすいトラブルの対処法・応急処置⑨虫や動物に遭遇

特に恐怖を感じる熊とスズメバチの対処法です。

熊に遭遇してしまったら背中を見せないよう、正面を向いたまま距離をとるようにします。ある程度距離があれば近づいてくることはほとんどないでしょう。

もし近くでばったり会ってしまったら、熊撃退スプレーを使うことをおすすめします。焦らないよう、気を付けて行動しないとスプレーが出せない!!落としてしまった!!なんてことにもなり兼ねないです。冷静に!!!

いざという時のために取り出しやすいようにしておいてくださいね(^_-)

私はハチが飛んでいるとパニックになります(゜o゜) それがスズメバチとなるともっとパニック(≧◇≦)
そんなことになっても絶対に追い払わないでください。私もですが・・・(笑)
刺激を与えると攻撃されます。
また、スズメバチが追いかけてくる距離は、巣の周りから80mほどと言われています。できるだけ低い姿勢で遠くへ逃げます。しばらくは警戒している状態なので、来た道へは戻らないようにしましょう。
もし刺されてしまったときは、清潔な水で洗い、ポイズンリムーバーで毒を吸いだし、消毒のために再度きれいな水で傷口を洗い、冷やします。
夏場、ブヨ対策で私がいつも持ち歩いてるリムバーです。
抗ヒスタミン含有ステロイド軟膏を塗ってすぐに病院へ行きましょう!!

・登山で起こりやすいトラブルの対処法・応急処置⑩雷

気象庁によりますと、雷は海面・平野・山岳などところを選ばずに落ちるそうです。特に山頂や尾根などの高いところなどでは、人に落雷しやすくなるということです。

入道雲が現れたら、天気が荒れる可能性が高いです。

光ってからしばらくしてゴロゴロと遠くから聞こえるからといって安心してはいけません。すぐに近づいてしまう場合があります。

雷だ!!と思ったら安全な場所に避難することがとても大切です。近くに山小屋があるならそこへ避難します。

雷は高いところに落ちるので、山では頂上・尾根はとても危険です。怪しいなと思ったらすぐに離れましょう。高い木の下も危険です。以前、ニュースで『雨宿りで木の下にいて落雷』というのを聞いたことがあります。

安全な空間に避難できない場合の対応

保護範囲

 近くに安全な空間が無い場合は、電柱、煙突、鉄塔、建築物などの高い物体のてっぺんを45度以上の角度で見上げる範囲で、その物体から4m以上離れたところ(保護範囲)に退避します。高い木の近くは危険ですから、最低でも木の全ての幹、枝、葉から2m以上は離れてください。姿勢を低くして、持ち物は体より高く突き出さないようにします。雷の活動が止み、20分以上経過してから安全な空間へ移動します。
なお、保護範囲に退避していても、落雷地点の近くで座ったり寝ころんでいたりしていると、地面に接触している身体の部分に、しびれ、痛み、ヤケドが発生し、ときには歩けなくなることがあります。 ※気象庁より

登山で起こりやすいトラブルの対処法・応急処置のまとめ

どのトラブルも起こらないように、まずはしっかりとした予防や対策で自分の身体は自分で守りましょう。もちろん、家族や仲間も大切です。

トラブルについて知っておくだけでも、いざという時に役に立つのではないかと思います。一緒に登山を楽しむ家族や仲間と共に協力・助け合うことができると安心です。

トラブルは起きないに越したことはありませんので、無理な登山をせずに『楽しく安全に!!』を心がけ、登山を楽しみましょうね(^_-)b

そらのした富士登山

富士登山用品のレンタル事業を展開して10年超のそらのしたスタッフ。スタッフ内には静岡山岳ガイド協会に所属している者やアウトドア全般に精通したスタッフも在籍。富士山の富士吉田ルートが近い山梨県富士吉田市に拠点を置き、富士山には何度も登った経験を有し、夏だけでなく冬季の富士山に登った経験もある。「遊び心あふれる仲間づくり」をミッションに活動する。

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