~ご来光だけが富士登山の絶景ではありません~
早朝に富士山頂でご来光! を目指すのなら、途中は真っ暗な急斜面をヘッドランプを頼りに行列覚悟、ということになります。もちろん頂上からの景色は圧巻です。一生忘れられない光景に出会えるでしょう。
このご来光の魅力は次回の、「なるべく快適でいるための、夜間の登山マニュアル」を交えてご紹介させていただくとして、今回は『陽光に包まれての登山をイメージ』してください。
例えば、早朝に五合目を出発して午後1時前には山頂に立っていましょう。
6時間半ほどの工程は、休みの取り方、水分の取り方、深呼吸法など、初心者でも「解決できる程度の問題」がいくつかありますが、登山は快適です。午前中の涼しい、しかも比較的天気が安定している富士山はまさに登山のためにありますます。
それでは富士山吉田口の5合目から登ってみましょう。
5合目を6時前に出発して、30分に1回ずつ3,4分の休憩を取りながらゆっくりとしたペースで、しかし確実に登り続けます。休憩の度に喉が渇いていなくても少量の水を飲んでいれば、健康的におしっこの量を減らせますよ。
2時間15~30分で7合目に到着。岩場の道は険しく、風と空気が冷たくなってきます。遥かに広がる雲海の上に出ている山々は南アルプス。富士山に次いで日本で2番目に高い「北岳」、その隣が同じく4番目の「間ノ岳」……となるんですが、
この絶景を愛でる時に必要な儀式があるんです。
1、富士山頂方向を向く。
2、大きく息を吐く(空気は平地の70%ほど、まず吐かなければ吸えません)
3、大きく息を吸う
4、2秒間、肺に入った空気を胃に向かって押し込む(少ない空気を確実に吸収)
5、息を吐く
6、2から5を2度繰り返す(つまり、深呼吸を3回)
これが登山中の深呼吸です。慣れれば血中酸素が10%近くもアップします。
こうして身も心もリフレッシュしてから、おもむろに振り返りましょう。
振り返れば雲海の彼方に南アルプス。あるいは眼下に湖をアクセントにした巨大なジオラマが。ゆったりと、ゆったりと絶景を満喫しましょう。
ちなみに、前日は地元の宿泊施設のベッドで熟睡を。夕食では多少のアルコールもおすすめです。
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