2500m以上の山を目指すのであれば持っていきたいゴアテックスレインウェア。高いレインウェアを購入したけれど、たまーに洗濯するくらいでほとんど手入れをしたことがないという人もいるのではないでしょうか?高価なゴアテックスレインウェアでも全く手入れをしないとせっかくの機能が生かしきれません。ここではまずゴアテックスレインウェアを手入れしないとどのようなことが起こるか理解していきましょう。
より深く理解したい方は下記の記事も併せてお読みください。
目次
ゴアテックスレインウェアは手入れが必須です
まずゴアテックスのウェブサイトに記載してある内容が下記となります。
GORE-TEX® アウターウェアの寿命はどのくらいですか?
GORE-TEX® メンブレンそのものはほとんど劣化することがないので、その防水性と透湿性は変化しません。ただし、アウターウェアの寿命の場合、縫製やファスナー、その他ウェアを構成する素材などいろいろな要素が関係してきます。長く愛用するためには、用途に合ったウェアを着用し、きちんとメンテナンスを行ってください。
ゴアテックスそのものとしては損傷しない限り衣類として十分な寿命を持つのですが、縫製部分のシームテープやファスナーが固くなったりと部品がダメになったり、ウェアを構成する素材の影響でダメになってしまうことがありますよと書いてあります。このウェアを構成する素材というものがポイントになり、しっかりと手入れをしてくださいねということです。それではメンテナンスを行わないことで起こる機能低下を見ていきます。
ゴアテックスの機能低下その1【透湿性の低下】
ゴアテックスレインウェアの最大の魅力となるのが透湿性。雨が降る中切るレインウェアの中は湿気がこもり易くて非常に不快になりやすいもの。レインウェアとして防水性を保ちながらそのウェアの内部の湿気を出してくれる透湿機能こそゴアテックスの最大の魅力でしょう。その透湿機能もレインウェアの表面が水をしみ込んでいるような状況では残念ながら機能しません(但し水を通さない防水機能は有効です)。レインウェア内部の湿気を外に出そうとしてもレインウェア表面に水の膜が張ってしまう状況になるので外に出ようが無いためです。ゴアテックスレインウェアでは常にレインウェア表面で水がコロコロと転がるような状態に保ってあげる事が大切です。
ゴアテックスの機能低下その2【レインウェアが重くなる】
高所の山に行くときはできる限り荷物を減らして臨みます。ウェアも同じことでできるだけ軽量になるように作られています。
せっかく軽量に作られているレインウェアであっても、濡れて水を含んでしまうと重たくなってしまいます。重たくなったウェアを着ることは疲労にもつながります。ゴアテックス自身はほとんど水を吸水しないため重量は変化しませんが、先に記載したウェアを構成する素材が水を吸水してしまいます(厳密にいうとレインウェアに使われる糸自身が吸水するのではなく繊維として糸と糸の間に水が介在するような形になります)。水を吸収しないためにも手入れをして、レインウェアの表面は水がコロコロと転がるような状態に保つことが大切です。
ゴアテックスの機能低下その3【体温低下】
あまり意識はしたことが無いかもしれませんが、水というものは空気に比べると熱を伝えやすい物質です。ウェアが濡れてしまうことで身体の熱が水を伝わり体温が逃げやすくなってしまいます。雨の日に服が濡れてしまい身体が冷えてしまう体験がありましたらまさにその状況です。これが実はレインウェアにも似た現象が起こります。ゴアテックスは水を通さないから大丈夫なんじゃないのか?と思われるかもしれませんが、直接的に身体が濡れて冷える訳ではないのですがレインウェアが濡れることによって放熱される面積が広がってしまい身体の熱は奪われやすくなります。身体を冷やさないようにするためにもゴアテックスウェアの表面は水がコロコロと転がるような状態に保つことが大切です。
ゴアテックスレインウェア手入れのまとめ
最後に再度ゴアテックスウェブサイトより引用です。
ウェアの表面は、なぜ撥水加工してあるのですか?
防水とはウェアの表面を濡らさないことでなく、水分をウェアの内側に浸透させないことです。しかし、ウェアの表面が濡れてしまうと体温を奪ったり、ウェアが重くなります。これを防ぐために、GORE-TEX® ファブリクスの一番外側の層には耐久撥水性加工が施されています。GORE-TEX® ファブリクスの機能に加え、撥水加工によって、より快適性を高めているのです。撥水性は着用していくうちに徐々に低下しますが、メンテナンスで回復することができます。
如何でしたでしょうか。ゴアテックスだから大丈夫というわけではないのです。ゴアテックスだからこそしっかりと手入れをしていないと機能が生かせないのです。そらのしたではゴアテックスレインウェアをしっかりと手入れしてレンタルするように自社で撥水性の研究開発を行っています(撥水加工サービス「ドロップルーフ」)。また自社工場はクリーニングの認定工場であり衣類の取り扱いもプロとして行っています。ゴアテックスレインウェアをただレンタルするのではなく正しい状態でレンタルしていくことをそらのしたでは今後も重要視していきます。