富士登山電車は、私鉄「富士急行線」の観光列車です。富士急行線はJR中央線の大月駅から河口湖駅までの間を結ぶ26.6キロの路線で、富士山の登山口に最も近い駅があるため、日本全国だけでなく海外からも、富士山登山や富士山麓での観光を目的とする人々がやってきて、利用しています。
富士登山電車とは
富士登山電車とは、富士急行線が平成21年8月8日に運行を開始した観光列車です。「赤富士」と「青富士」の2両編成で、工業デザイナーの水戸岡鋭治氏がデザインを手がけました。所定の運賃のほか、200円の「着席券」が必要です。定員制で、個人は2週間前、団体は1ヶ月前から予約ができます。
富士登山電車は、大月駅と河口湖駅の間を、片道55分かけてのんびりと走ります。外装は富士急行創業時の車両を模したデザインで、レトロな雰囲気です。
「青富士」は内装が青を基調としており、「赤富士」の内装は赤を基調としています。
走行中は富士山がよく見えるポイントを車内放送で案内してくれます。また、外国人観光客のために、英語での説明もあります。
富士登山電車の車内の様子
富士登山電車のインテリアは、木や布の自然素材を使ったレトロモダンな雰囲気でまとめられています。車内には様々な形の座席があり、家族やグループに適したボックス席のほか、ソファ席、展望を楽しむカウンター席、小さなお子様がのびのび過ごせるベビーサークルなどがあります。また、運転台の後ろはキッズ展望コーナーで、前面展望を楽しみながら、電車運転の様子を見学できます。
富士登山電車には、富士山や鉄道に関する資料を揃えたライブラリーがあります。富士山に向かう人は、ここでちょっとした情報収集ができます。
車内随所に、沿線の富士吉田市の特産品「甲斐絹」をモチーフにした飾りが展示されており、乗る人の目を楽しませてくれます。
車内でしか買えないオリジナルグッズの販売コーナーもあります。グッズは、オリジナルノート、ハンカチ、富士山の形をした「ふじせんべい」、富士登山電車のデザインが練りこまれた飴などがあります。
富士登山電車が走る周辺の様子
富士登山電車は山岳地帯を走ります。起点である大月駅は標高358m、終点の河口湖駅は標高857mあり、河口湖行きは上り坂、大月行きは下り坂となります。勾配はかなり急な箇所を富士登山電車は走ります。沿線は緑豊かで、滝や森林があり、都留市駅付近では自然と調和した田園都市が眺められます。沿線には意外に水田が多く、夏には涼しげな車窓風景が楽しめます。富士登山電車の車窓には、しばしば富士山が顔を出します。富士登山電車からは様々な表情の富士山が楽しめます。
途中に「富士山駅」があり、富士スバルライン5合目行きの路線バスが発着しています。
富士山登山口に最も近い駅は「河口湖駅」です。河口湖駅は平成18年にリニューアルされ、木造駅舎の中にはカフェレストラン「GATEWAY FUJIYAMA」があり、ゆっくりと過ごせます。