山の環境は地上とは違います。道は舗装されていませんし、急に気候が変わることもあります。このため、山登りの時に装備が整っていないと命に関わる場合さえあります。安全で快適な山登りをするためには必要な物が揃っているか登山に行く前にチェックしましょう。
なお、今回は超初心者向きということで日帰りの山登り・登山を想定した持ち物・装備となっています。
目次
山登り・登山の必需品持ち物と装備【基本】
まず用意しておきたい装備として、どんな低い山であってもレインウェア・ザック(リュック)・登山靴・ヘッドライトは最低限揃えていきましょう。
▼レインウェア
レインウェアは必ず持って行くべき装備です。初心者であれば終日晴れ予報の日だから雨具なんて必要ないと思う方もいるかもしれません。登山では雨が降った際に使用するのはもちろんですが、それだけでなく風が強い時の防風・防寒着として使うことが多いのです。山の上では平地の間隔と違って風が強く冷たいものです。そのため天候に関わらずレインウェアは携行するようにしましょう。
雨に対しては傘では対応できないのか?と考えるかもしれません。山の麓の林間部を歩くだけであれば確かに傘でも問題ないのですが、山の上は風が強く吹いていて傘が役に立たなかったり、また傘が飛ばされたり、傘にバランスを崩されたりして脅威になったりもします。防寒の意味も含めて、山の上に行くのであれば傘ではなくレインウェアになります。
山のレインウェアとして有名なのがGORE-TEX®(ゴアテックスと読みます)。雨は通さないのに湿気は通してくれるという優れもの。昔ビニール合羽を着て着心地が悪かった経験はありませんか?ゴアテックスの場合湿気を通してくれるので不快さを軽減してくれます。低山でゴアテックスが必要かと言うとオーバースペックですので、森林限界(2000~2500m程度)を超えるような山に行くようになったらゴアテックスのレインウェアを購入する検討をするのがおすすめです。
▼ザック(リュック)
山登りの装備のなかでザック(リュック)も必需品です。初心者の中には街で使っている肩掛けバックや手持ちバッグではダメなのかと考える人もいるかもしれません。ザック(リュック)でなければならない理由は両手を空ける必要があるからです。山ではアスファルトのように平坦ではないのでいつも転倒リスクがあります。
山によっては岩場や鎖場など手を使って登らなければならない箇所もありますから、両手が空いていないと危険です。登山用のザックであれば、しっかり体型に合ったザックになっていると長時間無理なく背負い続けることができます。
▼登山靴(トレッキングシューズ)
靴もレインウェアやザックと並んで必要な装備です。初心者は普段靴と登山靴は何が違うのか?疑問かと思います。登山靴の特徴は靴底が滑りにくい素材でできており、溝も深いこと、また靴底が固いためにしっかりと地面を蹴り出すことができる点があります。また足首までホールドすることで足とのフィット感を高めしっかりと紐を結ぶことで長時間の歩行でも靴擦れを防止してくれます。
それに対して普段靴はソールの溝や素材がそもそもグリップするような形になっていないため滑りやすく、また足首まで靴紐がないことにより足の裏の摩擦だけで身体を支えるような状況になってしまうため足裏の靴擦れも起こりやすく長時間の歩行で足が痛くなってしまいます。
登山靴だけでなく、靴下も非常に大切です。普段履きなれている靴であっても長時間歩行すると足が痛くなることがあると思います。これは靴と足に隙間があることが原因です。靴の形状が足と合っていない理由だけでなく、実際にはしっかりと靴紐を絞められていないことや十分な厚みのある靴下を履いていないことも多い為、靴だけに着目するのではなく厚みが十分にある靴下も大切です。
▼ヘッドライト(ヘッドランプ)
初心者の中にはヘッドライトは日中しか行動しない日帰り登山だから必要ないだろうと思ってしまうことはあると思います。確かに登山中に毎回使う物ではないかもしれません。
しかしながら日帰り登山でも思わぬアクシデントが起きて下山が遅れる可能性があります。山道には照明はありませんから、暗い中で平坦ではない場所を歩くことは想像する以上に大変です。アクシデントが起こったとしてもヘッドライトを使って行動ができる状況を作ることは登山のマナーです。
今のヘッドライトは非常に小さいためザックの収納に入れておく程度でかさばらないため、必ず携行するようにしましょう。但し、電池切れになっていないかどうか、準備の段階で点灯確認は忘れずに!
初心者と言えども山登りには最低限としてレインウェア・ザック・登山靴・ヘッドライトは持って行くようにしましょう。これらは山登りのマナーと言える物です。
山登り・登山ではこれも準備しよう!
▼水分
山には川が流れていますが、見た目が綺麗だからと言ってそれを飲むことはあまりしません(遭難時は別ですが)。そのまま飲むことで動物の菌が含まれている可能性があるためです。飲料用として水分は持参していきましょう。行程や途中の山小屋・水場によっても変わりますが日帰りの登山でも最低限1㍑以上は持って行くべきだと考えます。
▼行動食
山登り・登山ではお昼になったからお弁当を食べるという感じよりもむしろ、休憩都度に少しずつ食べながら栄養補給することが多いです(決してお弁当を持ってい行ってはいけないわけではありません)。行動食にはこのような物でないとダメ!ということはありません。パン・おにぎり・せんべい・お菓子・飴などなど食べたいものを持って行けば良いです。コツとしては、5分、10分の休憩で口にしたいので食べ物が小分けにされていると良いでしょう。夏場はチョコレートが溶けてしまって避けた方が良いのと、雪山ではおにぎりが固まってしまって食べにくいということはあります。
▼地図
時代の流れもあり最近ではアプリで地図が見られたりもします。自分の行く場所がどのくらいの距離を歩いてどのくらいのコースタイムになっているかをおおよそ掴んでおきましょう。ただし、アプリの地図の場合は事前に地図を読み込んでおかないといけない場合もあるので、地図アプリであっても事前にチェックをしましょう。
▼防寒着
1000m標高が上がると気温はおよそ6℃ほど下がると言われています。また山では風が強く吹く場所やタイミングがあり、その際に身体が冷えてしまうことがあるので例えばフリースや薄手のダウンジャケットなど防寒着を一つ持っていくようにしましょう。ちなみに街で着るようなモコモコとしたダウンは嵩張るからNGです。あとレインウェアもウインドブレーカーとして活用することができます。でも防寒着はレインウェアだけでは予想外の寒さに対応できないので、必ずちょっとした防寒着を準備しましょう。
▼帽子
意外になりやすい日射病。長時間外の環境にさらされ、状況によっては日が強く当たる時も出てくるかと思います。日差しを遮るある程度つばの大きな帽子を持って行くと良いです。
山登りにあると便利な持ち物・装備
必需品ではありませんが、山登り・登山にあると便利なグッズがあります。
▼ストック(トレッキングポール)
ストック(トレッキングポール)を持っていると膝や腰の負担を軽くすることができます。またバランス良く歩くことができるという点もメリットです。緊急時は添え木として使ったり人を運ぶために使ったりということにも役立ちます。一昔前と比べるとストックを積極的に使う人が増えましたね。ハイキング程度であれば必要ありませんが、長い時間歩くようになればぜひ持っていきたいアイテムです。
▼ザックカバー
急に雨が降った時のためにザックカバーを用意しておくと便利です。ザックには撥水加工がされているものもありますが、雨が激しい場合は防ぎきれません。中まで濡れるとザックが重くなり体に負担がかかってしまいます。なお、ザックによってはザックカバーが付属しているタイプのものもあります。
▼手袋
手袋もあると役立ちます。手を使って岩場などを登るときに手を保護します。防水加工のしてある手袋を選ぶと雨が降った時に手が冷えるのを防ぐことができます。
山登り・登山に必要な持ち物・装備まとめ
山登り・登山に必要なものを下記のページに紹介しているので合わせてチェックしてみてください。
さらに富士山登山ということであれば日本一の3776mの高さに対応するために必要な装備・持ち物が増えます。下記のページに装備をまとめていますのでチェックしてください!
山登り・登山用品・装備はレンタルがおすすめ
山登り・登山には必要な装備がいくつもあるのですが、最初からすべて揃えるのはなかなか大変です。また、必要な装備は登る山のレベルや季節によっても変わるため、せっかく買ったのに使ってみたら自分には必要なかったということもありえます。
登山初心者はレンタルショップがおすすめです。ザックや靴などの登山用品をセットで貸し出してくれます。レンタルをして気に入ったらその登山用品を購入するというのもおすすめです。
なお、ザックや靴・レインウェアなどの撥水加工はメンテナンスがされてないと性能が落ちてしまいますが、レンタルショップの登山用品はすべてしっかりメンテナンスされているので、性能はまったく問題ありません。このため、安心して山登りをすることができます。