ピッケルを最大限生かすには?【ピッケルの持ち方】

登山道具紹介

冬山装備の定番と言えるピッケル。そのピッケルも持ち方ひとつとっても色々言われます。ピッケルの特性を活かすための持ち方を解説していきます。

ピッケルのどの部分を持てばよいか?

ピッケルはなんであんなヘンテコな形をしているのでしょう。大変持ちにくいですね。ピッケルの形状に関しては別記事「ピッケルの選び方」で解説しているとして、このヘンテコな形のピッケルを持つにはどこを持てば良いのでしょう。

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ピッケル基本の持ち方

ピッケルの基本的な持ち方は人差し指が独立してブレード側となり、中指、薬指、小指はピック側に来るような持ち方となります。親指は置きやすい位置へ。これが基本的な持ち方となります。

鉄に直接触れると実は熱を奪われやすくなります。ピッケルの持ち手の部分は鉄やアルミでできていて、どちらにせよ寒い冬にピッケルを何時間も持っているとそれだけで手の熱をかなり奪い去ります。指の凍傷を防ぐためにも少し工夫をしましょう。

ピッケルの持ち手部分にビニールテープ

なぜ熱を奪うかと言えば、手の熱が容易に鉄に伝わってしまうからです。鉄が熱を伝えやすい物質だからなんです。ということで、熱が伝わりにくい物質を間に挟めば良いのではないかということで多くの先輩方が実施しているのが持ち手で触れる部分にビニールテープを巻くという工夫です。ビニールテープは鉄より格段に熱は伝えにくい物質ですので効果があります。但しビニールテープを巻く厚みが必要になります。暖かくするにはたくさん巻きたいところですが幾らでも厚くできるかと言えば限界がある。各自感じる冷たさと調整してビニールテープの巻く厚みを調整しましょう。

ピッケルに前後ろがある!?

先の尖ったピック側を前に持つのか、後ろに持つのかが状況によって変わります。

教科書的な説明をすると、登りは尖ったピック側を前にして持つ。下りは尖ったピック側を後ろにして持つということになっています。理由としては、転倒時にすぐさまピックを斜面に差し込んで落ちる速度が加速する前に止めてしまえ!ということです。確かに加速がついてから止めるのは不可能な状況があるため、初動で止めることは非常に有効です。

ただ一点、ピックを前にして持つことに実は問題点もあり、万能ではありません。それは次のページの後半にて解説します。

ピッケルは右手で持つ?左手で持つ?

さてまたまたの難問だ。右手で持つか左手で持つか?はてまた持って行かないか…は別記事「ピッケルって必要?【ピッケルの使い方】」で解説しているとして。右手か左手かというよりは実際は利き手か利き手の反対持ちにするかということになるかと思います。

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まずは基本の登り下りに関しては、簡単です。利き手で持ってください。というより手にはピッケルしか持っていないはずなので利き手の反対の手で持つ理由が見つかりません。もちろんバリエーションなどでアックス2本持っていく時は別として。利き手で持ちましょう。

ピッケルの持ち手はトラバースの時に気を付ける!

ではどんな時に難しくなるかといえば、斜面を横切って進む「トラバース」と呼ばれる状況の時です。

まず教科書的には、進行方向の左が山側であれば左手に持ちましょう。右が山側であれば右手に持ちましょうということになると思います。しっかりと山側にピッケルを刺して支点を保持しながら進もうということです。これ自体は正しいと思います。

ただし、これにはあまり語られないデメリットがあります。山側がどちらかによって場合によっては利き手じゃない側に持つことになりますよね?その時に滑落した場合、どうでしょう?

滑落停止の訓練をした事があるという人は多いかもしれませんが、その訓練の際、どちらの手でしてましたか?利き手でやりますよね。それでは利き手と反対の手でも練習するかといえば、そこまでやった方はかなり少数になると思います。実際利き手と反対の手で滑落停止をやろうとしてもかなり難しいです。本当に滑った所を止めるには利き手でしっかりと体重を支えながら止めなければならないのです。

前頁にてピックを前にして持った時のデメリットもこれです。ピックを前にした状況で滑落停止体制を取るのは厳しです。持ち替えが必要になってしまいます。

そう考えると、トラバースの時利き手で持つべきか利き手と反対の手で持つべきか悩ましくなります。
ここからは教科書的ではないアドバイスとして聞いてくださいね。

雪質によってピッケルの持ち方を変えてみる

先に説明したようにトラバースの際に山側へピッケルを持つ理由は、山側にピッケルを差し込んで支点を取りながら進むという理由でした。

どんな時もこれで良いかと言えばそうではないだろうと思います。雪質によって変えるのが良いでしょう。ピッケルが刺さって、支点としてなり得る状況であれば、山側に持って、ピッケルをしっかり刺さっていることを確認しながら進むのが最も安全です。但しピッケルが刺さらないような雪質の場合は、そもそもトラバースが危険なのでまずはトラバースを回避する方法を考えたいところですがそうもいかない場合。ピッケルは利き手で持ち、反対の手は柄の方を持ち極力山側に体重を掛けながら、かついつ滑っても滑落停止姿勢が直ぐに取れる持ち方をするのが良いはずです。
ピッケルが刺さらない雪に対して利き手と反対側に持って支点になるかと言えば、その姿勢は全く不安定の状態なので、それならば万が一滑落した際に初動を早くする方へ労力を使った方が安全なはずです。

結局は杖としてのピッケルなので、安定姿勢を確保することがまず一番大切で、安定姿勢が確保できないならば、第二ないしは第三の目的である滑落停止目的として利用してみましょう。

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