富士山の絵のギザギザの謎【富士山の絵に隠れているトリビア】

あなたの知らない富士山登山

みなさんは、どの季節に見る富士山が好きですか?
多くの方は、しっかりと降雪した11月後半から雪解けが始まらない3月までの富士山が一番美しい、と感じると思います。

夏の富士山を見ても雪が無くて白い部分が無いので、「富士山はどこに見えるんですか?」と聞かれるくらい、冬の富士山の姿が多くの人の富士山の姿として印象付けられています。

さて、そんな富士山を絵で表すとき、多くの人が山頂を平にして、山の上の部分を白く塗り、下の部分を青く塗り、白と青の境界線をギザギザ線で表すと思います。白は雪、青は山肌を表しているのは分かりますが、ギザギザするのは何故でしょうか?その理由を解説します。

富士山のイラスト1

富士山の境界線をギザギザで表しているのは、実は○○

見た目通り、ギザギザするからギザギザ線書いているんでしょ?と言ってしまえばその通りですおで元も子も無いのですが、今回は何故そうなるかを説明します。

白い部分が雪で、青い部分が山肌。これ自体は正解です。

白い部分、つまり雪が見えてる部分がギザギザしてるんです。

この「見えている部分」っていうのがポイントです!

白く見えている部分というのが、木がない部分です。木が無くて邪魔するものが無いので山肌に積もった雪が直接見えてます。逆に青くなる部分は木がある部分です。木があるので積もった雪は木で隠れてしまって見えません。木の下に積もってます。

この木が有る部分と無くなる部分の境目を表しているのが白と青のギザギザです。これを専門的に言えば「森林限界」という言葉を使います。

森林限界は一定の高さで区切れない

ここで一つ疑問に思いませんか??

なぜ一定の高さじゃないんだろう?と

木が有る部分と無い部分が一定の高さであれば「ギザギザ線」でなく「直線」になるはず!?

実はこの「森林限界」。厳密に○○mときっちり区切れるものでは無くて、バラツキがあります。

よく言われるのが北海道の森林限界は1000m台で北アルプスだと2000m台、南アルプスでは2000m後半といった形で地域差による森林限界高さの違いを言われますが、富士山のような一つの山であっても森林限界の高さをどこか一定の高さで区切ることができません。

その理由は富士山にある尾根と谷です。

もしも富士山がすり鉢のような完璧な円錐をしていたら、森林限界がどこかの高さできっちりと区切れて、白い部分と青い部分は直線になるでしょう。(厳密には横一線ではなくやや斜めの線になりますが・・)

富士山のような美しい山でも、表面は尾根と谷があり凸凹しています。この尾根と谷の凸凹によって日の当たりが異なったり、地面の乾燥具合が異なるため、木が生えやすい場所、木が生えにくい場所ができてきます。このため、森林限界は一つの山でさえ、一定の高さに区切ることができず、結果として富士山の絵の白い部分と青い部分によって、森林限界のギザギザと表現されるわけです。

冬の富士山

富士山の境界線がギザギザしない時期もある!?

富士山の絵の白い部分と青い部分のギザギザの理由が分かったところで新たな情報として、実は「ギザギザが出ない時期」があります。ほんのわずかな期間だけギザギザが出ない時期が。それは10月後半から11月前半の僅かな時期。それをお目にかかれたら大変ラッキーですね。

富士山の森林限界と植物

富士山を眺めていると、高さによって色の違いがあることが分かります。
雪が積もっていないように見える森林限界より下の黒っぽいところは、亜高山帯と呼ばれる地帯で針葉樹林です。
その下の少し明るい色の部分はブナ・カエデなどの落葉樹林で、山地帯と呼ばれています。

森林限界より上の雪が積もって見える白い部分は、「森林限界」の名前の通り、高い木や森はありません。
森林限界より上は、オンタデやミヤマオトコヨモギなど、背の低い植物のみとなります。
さらに上に登っていくと、菌類やコケ類のみとなっていきます。

他の山でも高度などの変化に応じて見られる植物は変わっていきますが、富士山は水はけが良い(良すぎる)火山灰と火山岩でできている山のため、森林限界より上は非常にタフな環境ですから、その環境で生きていける植物は、より限られてきます。
植物が無いということは、それに共生する昆虫や動物もそうですよね。

富士山は登山口によって五合目の高度が違う

富士山は、五合目から登る場合、主な登山口が4つあります。
しかし、富士山の五合目と言っても、全て3776m÷2=1888mの高さにある訳ではなく、実は登山口によって、かなり高度がまちまちです。
富士宮ルート五合目(標高2400m)と富士吉田ルート五合目(標高2305m)は、高度が高い所にあるため、深い森を抜けていくことは、ほぼありません。
御殿場ルート五合目(標高1440m)は、他のルートに比べてかなり低い地点にありますが、宝永火口からの火山灰が堆積する荒野で、高い木はもちろん、その他の高山植物も少なくなっています。
須走ルート五合目(標高1960m)から登ると、森の中を通って、森林限界を抜けて、という変化を楽しむ登山ができます。
ただし、頂上までの距離が長くなることは言うまでもありません・・・。

富士宮口五合目と御殿場口五合目の標高差は、なんと960mもあります!
なお御殿場口は、とってもタフなルートですので、挑戦する際は、特にしっかりとした準備や計画、体力が必要となります。

ぜひ富士山のギザギザの秘密や高度による動植物や景色の変化、登山口別の違いを楽しみながら、富士登山に挑戦してみてはいかがでしょうか?

富士山登山の総合情報は下記にまとめてますので、今年富士山登山に挑戦しようという方はぜひ読んでみてください。

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