寝袋(シュラフ)の選び方【温度帯・大きさ・重さ】

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Q.寝袋(シュラフ)はどうやって選んだらいいの??
A.使う場所とシチュエーションを考えて、使用温度帯・大きさ・重さの3点を考えて選びます。

それでは寝袋の簡単な種類別解説から寝袋の選び方の具体的なポイントを解説していきます。

寝袋(シュラフ)の種類

まず最初に寝袋(シュラフ)は大きく分けて2つのタイプがあることを理解しましょう。基本的には布団と同じと思って大丈夫ですが、中綿がダウンであるか化繊であるかによって種類が分かれます

中綿がダウンの特徴

収納がコンパクトになることが一番のメリットです。そのため持ち運ばなければならない登山利用では基本的にダウンの寝袋を選ぶことが多いです。軽くて羽毛布団のように寝心地が良いのも特徴ですね。デメリットは価格が高い事です。しかも高級な羽毛を使っているほど高いです。これも布団と同じような感じですね。

中綿が化繊の特徴

ダウンと比べて価格が安いことが一番のメリットになります。デリケートなことを気にせずに洗える点もメリットですね。またダウンの場合濡れてしまうと保温力が極端に落ちてしまいますが、一部ぬれたり湿気が多いような環境でも保温力が落ちにくい特徴もあります。デメリットは保温力を出しにくいので暖かいほど嵩張って大きくなり易いです。夏のキャンプ利用の場合で車でしか持ち運ばないということであれば化繊の寝袋を選ぶこともいいですね。

寝袋(シュラフ)の選び方【使用温度帯】

この写真は、春~秋まで使える3シーズンの人気寝袋(シュラフ)、モンベル「U.L.スーパースパイラルダウンハガー♯3」の商品ページです。

♯3

寝袋(シュラフ)には快適使用温度と限界使用温度の表示がされています。

まずは考えられる使用する場所の最低温度を調べましょう!
そして幾つかの温度記載がありますが、基本的には快適温度を目安にします。
男性の寝袋初心者であれば快適使用温度=使用する場所の最低温度くらいでも大丈夫ですが、冷えに弱い女性は快適使用温度にプラスしてもう2~3度余裕を持った温度帯の寝袋(シュラフ)を選んだ方が良いです。

最低温度に対してギリギリの寝袋(シュラフ)を使用するとたいへん寒くて寝られないということが起こります。秋口になっても夏の布団で寝てなら寒くて起きてしまったという経験ありませんか?寝られなければ疲れも取れなくて悪いことばかり。しっかりと暖かい温度帯の寝袋(シュラフ)を選びましょう。

余談になりますが、登山の場合、できるだけ軽量化を図りたいので先輩などにギリギリの温度域の寝袋を勧められることがありますが、個人的にはちゃんと自分の体と山域が分かってからギリギリの温度域を使う方がいいと思っています。まずはしっかり寝て体力を回復することが寝袋選びのポイントだと思っています。

ヨーロピアン・ノームとは

実は数年前まで寝袋(シュラフ)の温度帯に統一された規格がありませんでした。各メーカーの判断で○℃対応という記載で問題無かったのです。

しかしながらこれでは選ぶ側(購入者)が困ります。しっかりとした寝袋(シュラフ)を選定するには経験が必要でした。

近年、ヨーロッパで取り入れられている規格であるヨーロピアン・ノームと呼ばれる規格が取り入れられ始めました。各メーカーバラバラの試験から統一された試験に変更されてきたという動きです。

ただし、ヨーロピアン・ノームで試験された寝袋のみが販売されている訳ではありませんし、ヨーロピアン・ノームですらその試験結果はあくまでマネキンによる試験ですので、実態とかけ離れる可能性もあります。

ヨーロピアン・ノームを鵜呑みにするわけでなく、一つの指標として捉えるという姿勢が大切かと思います。

そらのしたでは冬用寝袋の保温力を比較した実験をしてみました。ぜひシュラフ選びの参考にしてみてください。

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寝袋(シュラフ)の選び方【大きさ】

暖かい寝袋(シュラフ)なら何でも良いかと言えばそうではありません。大きさと重さを考慮しなければならないです。

大きさは使用する中綿で決まります。まずはダウンと化繊で大きく変わってきます。ダウンが使われていると圧縮して収納できるのでコンパクトにすることができます。化繊の場合圧縮ができない為どうしても大きくなってしまいます。

ダウンが使われていると値段が高くなります。しかも値段が高いダウンほど圧縮具合も良く、少ない中綿でも暖かさを保てるためコンパクトにすることができます。

利用するシーンが登山なのかキャンプなのかで必要な大きさが変わってきますので、その辺りで選ぶとよいでしょう。また登山利用でも、標高の高い山に持っていくのか、近場の山に持っていくのかで大きさを考慮しなければならない状況も違ってくると思います。

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寝袋(シュラフ)の選び方【重さ】

寝袋(シュラフ)の大きさに併せて重さも気にしなければなりません。基本的に大きさに比例して重さも増してきます。コンパクトな寝袋ほど軽くできています。

ダウンの寝袋であれば保温力はダウンがどの程度封入されているかで決まるため、寝袋の重さで暖かさがほとんど決まります。夏の標高が高いところでの仕様であれば中綿300gほどで総重量600g程度の寝袋が良いでしょう。春や秋の山間部での仕様であれば中綿400~500gほど必要になり総重量も700~900gほどになります。冬用となると中綿が600~800gになり総重量も1000~1500gと重さが増してきます。

その他寝袋の豆知識

寝袋(シュラフ)カバーを使って若干保温力アップ

冬季のテント泊で悩まされるのが寝袋の濡れ問題です。冬季登山では携行性から基本的にダウンの寝袋を使うため濡れにはとても注意を払う必要があります。幾ら気を遣ってもテント内の温かい空気が外気と触れてテント内は結露を起こすので、できる限り寝袋が濡れないようにシュラフカバーを持って行くことが多いです。

シュラフカバーがどれだけ保温力があるかどうかは実際に計測していないので分かりませんが、それでもダウンの寝袋とテント内の空気との間にもう一層の空気層を作ってくれるので断熱効果があります。

寝袋のスペックが少し心配!なんて時はシュラフカバーを合わせて持って行くと少しは保温力アップが期待できます。

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寝袋(シュラフ)用シーツがあるんです!

シュラフをいつまでも清潔に使いたいという方は寝袋(シュラフ)用シーツを使うことがおすすめです。シュラフを洗うのはすごく大変ですが、シーツなら家庭にある洗濯機での選択がOK!
毎回清潔で気持ちの良い状態で寝袋が使えます。

適正な寝袋が見つかるまでレンタルという選択肢もありますよ。

最適な寝袋を見つけるのは結構大変です。まず自分の体が寒くなりがってなのか暑くなりやすいのかをよく知る必要があります。その中で標高や体力を考えて適正な寝袋が決まってきます。購入したけどオーバースペックだったとかもっとスペックが必要だったとか、せっかく購入した寝袋が寒くて寝られない!なんてことにならないようにまずは寝袋(シュラフ)のレンタルをしてみて、これくらいの暖かさが良いなとかもう少しコンパクトの方が良いなとか試してみるもの良いでしょう。

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キャンプ用品のレンタル事業を展開して10年超のそらのしたスタッフ。スタッフ内にはキャンプインストラクターを取得したベテランキャンパーやキャンプだけでなくアウトドア全般に精通したスタッフも在籍。山梨県富士吉田市に拠点を置き、「遊び心あふれる仲間づくり」をミッションに活動する。

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